CATEGORY

UPDATE

2019.05.09

高ボッチ高原 
観光草競馬大会 魅力に迫る。

きついカーブが続く山道を車で進んでゆく。馬たちを乗せた大きな馬運車も、この険しい山道を通ったのか…。

初めて訪れる高ボッチ高原 観光草競馬大会。一体どんな雰囲気なのだろう、どんな景色がみられるのだろう。カーブに揺られながら想像をふくらませる。


到着した会場の標高は1600メートル(1マイル)。日本一標高の高い場所で行われる草競馬大会だ。どこを見渡しても馬がいて、馬との距離もかなり近い。それだけでなく普段競馬場では滅多に見られないレース前後、つまり出走馬の到着、レース前の準備、レース後のクーリングダウンなどを、間近で見ることができる。 レース前の緊張感も、勝利の喜びも、馬達をいたわる優しさもぜんぶ、伝わってくる。なんて贅沢!!

undefined

大会の歴史は長く、今年で65回目。
昭和27年に農耕馬を走らせたのが始まりだそう。レース前の安全祈願及び手打ち式で「人馬ともに無事でありますように。」と参加者のみなさんが唱える場面があり、人と馬の繋がりをずっと大切にしている大会の心に触れた気がした。

undefined

一周約400mのコース周りを歩いてみたが、起伏が激しく柵とコースの距離がとても近い。

馬の中では日頃触れ合う機会の多いポニーも、目の前を駆け抜けていくレースで見ると、その速さと迫力に鳥肌が立つ。競走馬のレースともなれば、迫力は桁違い。間近で繰り広げられる馬同士の競り合い。立ちのぼる砂埃。乗り手の掛け声や鞭の音。一周ごとに変化する馬たちの息遣いと足の運び。

前半に力を使いすぎてしまった馬は、息遣いが荒く足も上がり気味になっている。ペース配分のできている馬は最後までフットワークが乱れない。全頭が一生懸命に走っているのが私たち観客の五感をフルに刺激しながら伝わってくる。何度も見てきた競馬場でのレースと全然ちがう!  

undefined

全27R行われたレースの中には、大会の由縁となった農耕馬のレースのほか、中間種のレースや、速歩(はやあし)と呼ばれる、走り方を限定したレースも。

農耕馬や中間種はサラブレッドと比較すると、脚の太さや、馬格の違いは明らか。速歩のレースは、通常の競走馬の走り方:襲歩(しゅうほ ギャロップとも呼ばれる)と比べて緩やかなスピードで、馬の美しさを存分に堪能した。色々な馬をあらゆる角度から、隅々まで見れる…やっぱり贅沢!  

高ボッチ高原のレース会場は観戦ポイントが多く、様々な場所からレース観戦が可能。なかでも1コーナーでの迫力は、ずば抜けている。

スタート直後に回るコーナーなので、レース中の位置どりとしても重要な場所である。なおかつコーナーも急だ。ここで見ていると砂埃というより砂が飛んでくるようで痛いくらい。だが闘志に燃える馬たちの凛々しい姿に惚れ惚れできる絶好のビューポイントなので、とってもおすすめ。

全国で乗馬に励んでいる子ども達の夢舞台である全国ポニー競馬選手権大会 第10回ジョッキーベイビーズの予選レースも行われた。私にとってこのレース前の緊張感が最も高かったように感じる。

決勝レースは2018年10月7日、東京競馬場で行われる。時折強い日差しが差し込むなか、3名の出場者たちはご家族の応援やアドバイスを受け真剣な表情。騎手の方が着るような本格的な勝負服を着て、コンビを組むポニーに跨る。東京競馬場への切符をかけ、いざスタート!1着は小学6年生の木村暁琉騎手とコニーのコンビ。力強い走りで見事決勝の切符を勝ち取った。

undefined

通路にいると目の前を何頭もの馬が通過していく。邪魔をしないよう、蹴られないよう注意する私の気持ちをよそに、参加者の方は気軽に馬を触らせてくださり、写真も撮らせてくださった。こうした方々に支えられて毎年無事に大会が開催されているのだろう。観客の皆さんもどの馬が勝つか予想されていたり写真撮影に専念されていて、なにより馬を見て可愛いと言われる方が多かった。

65年かけて築かれた、馬と、馬を愛する人のあたたかい気持ちにあふれていた。高ボッチ高原でのレース観戦を通して、馬を育てることの大変さ、馬が与えてくれる感動の大きさへの思いが深まる1日となった。

RECOMMEND